Symposium2025開催要領
【概要】
アジャイルプロセス協議会(2003年設立)では、時代の要請に応えたアジャイルプロセスを中心とした研究・調査などを行っています。特に、協議会のWG(ワーキンググループ)の一つである知働化(ちどうか)研究会(2009年創立)では、次世代のソフトウェア構築やテクノロジーの社会的意義などについて探求を行っています。
このたび当協会では、産学研究交流を主目的としたオープン形式のシンポジウムを開催する運びとなりました。午後は各種テーマに沿ったコミュニケーション主体のワークショップを行います。企画・プログラム等については、今後詳細化していく予定です。
【テーマ】
知働化(Executable Knowledge and Texture)
【主催】
アジャイルプロセス協議会 知働化研究会
【日時】
2025年11月1日(土曜)9時半開場; 10時〜18時閉会
【会場】
工学院大学(新宿キャンパス)
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【参加対象】
ソフトウェア領域の研究者、経営者、実務者、教育者、学生など100名程度
【参加料】
一般 ¥5,000、協議会メンバ・学生 無料(全て、参加登録要)
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【懇親会】
18時〜 、 参加費¥4,000
PUBLIC HOUSE CRAFT BEER&DINING
懇親会場アクセス
プログラム
■基調講演@アーバンテックホール
10時〜 「かたちのないかたちをつくる・アナキテクチャ」(仮)
すべての工学, 技術は, 常に二つの方向性に逸れ, 裂かれ続けているように思えます. 一つは, それ自身が目的化し, 何かを支配する制度へと. もう一つは, 日常をいきいきと生きるための道具へと.
今, ソフトウェアと呼ばれているものもその一つです.
タイトルにつけた (仮) は, 「仮のタイトル」という意味ではなく, 今日お話しすることが, 一つの仮説, 検証不可能な思弁 (speculation) であるという意味です.
今から 30 年前, 50 年前に「ソフトウェア」が何を夢見ていたか.
30 年後, 50 年後の我々が「かつてソフトウェアと呼ばれていた何か」がその 30 年前, 50 年前に何を夢見ていたかを, どう語るのだろうかを, 今の我々として想像したい.
自由思想家 (free thinker) というよりは, ひとりの自由沈想家 (free sinker) として.
■並行トラック@教室A-0471〜0477
13時〜 並行トラックによるワークショップ(各トラックは複数セッション)
注)Cトラックのみ学生さんによるプリセッションがあり、その後、14時〜 が本トラックとなります。
●Aトラック@教室#A-0471:HI(人間の思考)とAI(人工知能)
トラックリーダー: 大槻 繁(株式会社一(いち))
スピーカー: 野村 一行(個人)
萩原 正義(Exscale株式会社)
塩田 英二(IPA 専門委員)
一ノ関 陽介(株式会社 Goldratt Japan)
知働化研究会では、2週間に1回の頻度でリモート懇談(通称缶詰会)を行い、各自の自由研究を進めています。2019年12月〜2025年9月の期間で、約130回の会合を行いました。このトラックでは、各自の自由研究について、人間の思考と人工知能の観点からの検討状況について披露し、トラック参加者の方々と議論したいと思います。
(A0)Introduction:知働化研究のあゆみとトラック趣旨(大槻)
(A1)Session1:「心の哲学」による人間中心のAIアプリケーション設計の視座(野村)
(A2)Session2:おもてなし(塩田)
(A3)Session3:AIと共に思考して、人と人が共創していくには(一ノ関)
(A1)〜(A3)に関する討論:(仮)AI利用の取り組みについて
(A4)Session4:AIが切り開く新しいアーキテクチャ設計論(萩原)
(A5)Session5:知働化時代向け『思考の技法』という知のパラダイム(大槻)
(A4)〜(A5)に関する討論:(仮)AIパラダイムのゆくえ
●Bトラック@教室#A-0473:かたちのないかたちをゆるめるめたに
トラックリーダー: 濱 勝巳(株式会社アッズーリ 代表取締役)
パネリスト: 山田 正樹(有限会社メタボリックス)
本橋 正成(『ゆるイズムの夜明け』著者/思想家)
私たちは、日々“かたち”に囲まれて生きています。
社会のルール、組織の構造、技術の設計、思考の枠組み、言葉の選び方──
けれど、それらは本当に私たち自身のものなのでしょうか?
あるいは、誰かが決めた“かたち”に、知らず知らずのうちに沿わされてはいないでしょうか?
このセッションでは、「かたちのないかたちをゆるめる」というテーマを起点に、
既存の構造や形式の“かたさ”を問い直し、
あらためて思考や表現の自由の可能性を探ります。
“めたに”とは、メタ(meta)=視点をずらす/上げるという意図と同時に、
「○○のために(タメに)」という言葉遊びを含む、緩やかで多層的な挑発です。
哲学、テクノロジー、モデリング、ゆるさ、構造、そして存在。
それぞれ異なる立場から問いと実践を積み重ねてきた登壇者たちが交差し、
“決まった思考”からの脱却と、“ゆるめること”による構造的な再起動をめざします。
●Cトラック@教室#A-0475:私たちの仕事&キャリアとAI
トラックリーダー: 上田 雅美(株式会社アネゴ企画)
サブリーダー:水越 明哉(paiza株式会社)
本トラックでは、私たち自身を当事者として捉えて進行してゆきます。
仕事や勉強でAIを使う側になったり、とあるサービスを受ける側としてAIを利用する側になったりが当たり前になりました。そこに対してワクワクすることもありますし、モヤモヤすることもあるかもしれません。
そこで、本セッションではAIと私(自分)がどんな風に付き合ってゆくのかを一人ひとりが考えてゆく時間にしてゆきたいと思います。様々な企業の取り組み、学生の皆さんの研究の発表など、情報も盛りだくさんです。楽しく進行してまいりたいと思いますので、ぜひご参加ください。
【進め方】
・前半はAIに関する様々な情報・研究に触れてみます
・みんなで問いを作り、その問いについて対話をします
・後半は対話を通じての気づきを各自まとめます【前提になるスキルや経験】特にありません。
聞いているだけでもOKです。
●Dトラック@教室#A-0477+23F教室:REBoK(要求工学)
トラックリーダー: 位野木 万里(工学院大学)
AI技術の進化に伴い、ソリューション開発におけるAIの戦略的活用がますます重要になっています。
例えば、多様化する顧客要求の洗い出し、要求分類、仕様化、検証などの要求工学タスクを、AI技術を活用して高品質化や加速化することが期待されています。
情報サービス産業協会JISAでは、2011年より要求工学知識体系REBOKシリーズを刊行し、真の顧客要求を明らかにし、ソリューションの開発を促進するための技術や手法に関する知識の形式知化と共有、適用展開に取り組んできました。この度、REBOKシリーズ第5弾として、戦略的AI活用による要求工学知識体系の実践ガイドを出版することになりました。
このトラックでは、要求工学知識体系REBOKシリーズ第5弾:戦略的AI活用による要求工学知識体系の実践ガイドについて紹介いたします。また、一部になりますが、ガイドの中で述べている技術を取り上げて解説いたします。トラック後半では、AIを活用したビジネスアイデアの創出タスクを、AIを活用して実施するワークショップを行い、新時代の要求工学について議論します。
備考:学生ポスター展示・討論も適宜開催
運営体制など
【協賛団体】
ソフトウェア技術者協会(SEA)
日本デザイン学会(JSSD)
情報サービス産業協会(JISA)
神奈川県 情報サービス産業協会(KIA)
情報処理学会(IPSJ)
日本科学技術連盟(JUSE)
【運営メンバ】
組織委員長:水越 明哉(アジャイルプロセス協議会会長,paiza(株))
プログラム委員長:大槻 繁(知働化研究会 運営委員長, (株)一(いち))
運営委員長:飯泉 純子(アジャイルプロセス協議会 運営委員長, (株)一(いち))
財務委員長:梅田 明由(アジャイルプロセス協議会 副会長, (株)システムワンド)
会場委員長:位野木 万里(工学院大学)